パチ…パチパチ…パチ…

パカッ!

アチチチ… あ~~~美味しい。あ、こんにちは、SUIスタッフの棚村です。
佐渡の新米、日本酒、そして海の幸が大変美味しい冬が到来しました!!! ヒュウ!
佐渡に来てから?両津にいるから?特に食べるようになった加茂湖の養殖牡蠣。1年かけて育ったプリップリの牡蠣は冬の佐渡に来たら食べなきゃ損ですよ!
加茂湖沿いには『かき家 みうら』『あきつ丸』など、牡蠣小屋直送で牡蠣を楽しめる場所のほか、『kaneto』など、加茂湖の絶景を見ながら牡蠣をはじめとする旬の味を楽しめる飲食店も。今年の牡蠣の出来はいかがなほどか…! 佐渡のおすすめ観光シーズンは実は冬、と思って止まない私です。

月替わりで楽しめるkanetoさんのお料理
加茂湖の牡蠣養殖事情

度重なる氾濫を食い止めるべく、淡水湖であった加茂湖と海を繋いだことをきっかけに、汽水湖になった加茂湖。栄養たっぷりとなった加茂湖は牡蠣養殖が盛んになり、一時期は約150軒の牡蠣小屋が加茂湖のまわりをぐるっと囲んでいたそうです。
近年、さまざまな影響から、元々加茂湖内で育っていた植物が育つことができず、その植物を魚卵のゆりかごとしていた魚が育たない、また、その魚を餌としていたクロダイが代わりに牡蠣の稚貝を食べてしまっている、といったマイナスのサイクルが続いています。
調べていくと牡蠣にはじまり、人間の暮らしにもゆくゆく影響を及ぼしていくのではないかと思えるほど、環境問題が深刻だということが分かってきました。クロダイを悪者してしまう流れにはちょっぴりうーん…ですが、今回はクロダイに価値をつけるため、クロダイのレシピを考案する会を個人的に進めている活動「加茂湖ドキュメンタリー制作」の一環として開催!

サドテレビさんからの取材&撮影も!
1日目はクロダイの上手な捌き方、2日目は捌いたクロダイを調理し、完成した料理を食べてみるという2日間の会。当日は「メレパレカイコ」「台湾料理店 慶幸屋」「maSanicoffee」「りんか亭」「曳波屋」の5軒に参加していただき、両日とも地元の漁師さんに講師を務めていただきました。
クロダイは内臓の処理をしっかりすれば臭みもなく、タンパクな味なので調理・加工もしやすい魚。クロダイを扱う飲食店が増えることで、クロダイに値段が付き、漁師さんも獲るようになることでクロダイが加茂湖で増えすぎるということもありません。
クロダイ×飲食店の可能性について話す検討会では、「釣り人が釣ったクロダイを飲食店に持ち込むことは可能か?」「土日祝など日時を指定すればできるかも」「現在、撒き餌が禁止されている加茂湖だが、牡蠣いかだから離れた指定の場所のみで撒き餌を許可し、自然の釣り堀にするのはどうか」など、なるほど!なアイディア話も出てきました。
加茂湖やクロダイの話に限りませんが、いつもとは異なる業種やメンバーと話し合うことで、新しい活路を見出すことができるはず。ぜひUIターン移住された皆さんも、地域や佐渡の社会問題に興味をもってみてください。過去に行っていたプロジェクトの経験や、デザインや制作のスキルが何かにつながるかも?
クロダイレシピをご紹介!

🐟メレパレカイコ:紫蘇の実とわさび香る 加茂湖クロダイの和風アヒージョ
しっかりと蒸してから、皮目を油でぱりっと揚げたクロダイに、特製ソースをたっぷりとかけた和風アヒージョ! 紫蘇の実がプチプチと楽しい食感で、お酒のあてにも◎ 20㎝ほどの大きさのクロダイでしたが、調理に携わった池さんも、懸念していた臭みをまったく感じないと驚いていました。

🐟台湾料理店 慶幸屋:中華風蒸し魚
こちらのクロダイは大胆に開き、ごま油や醤油をベースにしたねぎたっぷりの香味タレをかけた一品に変身!ビールや紹興酒に合いそう…。調理に携わった台湾人の慶さんは、日本と台湾の魚の捌き方の違いに驚かれていました。良い意味で味に特徴が無いクロダイは中華風レシピでも邪魔をしない優秀魚の予感です。

🐟maSanicoffee:佐渡の魚を使ったフィッシュバーガー
「主役は、白身の旨みが際立つ黒鯛。「黒鯛は臭い」というイメージを払拭するため、カフェで使用している佐渡牛乳と自社栽培ローズマリーでじっくり漬け込み、さらに佐渡バターの香りを纏わせるという、手間暇を惜しまない独自の処理を施しています。私たちの熱い想いと、佐渡の恵みを凝縮した極上のフィッシュバーガーを、ぜひ一度ご賞味くださいです!」
maSanicoffeeで現在も販売中の小判バーガーシリーズにNew Faceが登場!? 自社菜園のメークインを繋ぎに配合したというコロッケにはたっぷりのクロダイが入っています。ふっくらザクザクコロッケは。ぜひ単品のお惣菜としても販売していただきたい美味しさでした。

🐟曳波屋:クロダイのポアレ クリームソースがけ
最後は曳波屋の藤井さんによるクロダイのポアレをご紹介! 揚げ焼きにしたカリカリのクロダイを、クリームソースといっしょに召し上がれ。冬にもぴったりの一品で、ちいさな子どもでも食べられる家庭の味です。曳波屋は実際に牡蠣養殖をされていることもあり、牡蠣の食害については死活問題。これからも加茂湖の牡蠣を楽しむために、普段の生活からクロダイを食べるようになればと話されていました。
加茂湖ドキュメンタリー制作中!

4月から約8か月間、撮影を続けている加茂湖ドキュメンタリー。あの人にも話を聞きたいな、これについても調べたいな…など、どんどんと規模が大きくなっていて、だいぶ空回り中ですが、伝統文化と環境福祉の専門学校 まちづくり・観光ビジネス学科 の学生さんや、本業でライターや撮影、ドキュメンタリー制作に携わっている人、新規牡蠣漁師さんなど、本当にたくさんの方々にご協力いただきました。

専門学生さんと実際にクロダイ釣りに挑戦! 捌きから調理まで楽しんでいただきました
ステッカー制作や上映イベントなど、引き続き予定しているものもありますが、まずは皆さんには加茂湖の牡蠣を楽しむ冬にしていただきたいと思っています。ぷりっぷりの牡蠣のために冬の海を渡ってもいい、そんな佐渡、両津になるようにこれからも活動していきたいと思います!

