【フルリモート】佐渡テレワーカーインタビュー

 

新型コロナウイルスが流行したことをきっかけに広まったテレワークという働き方。

テレワークは地方移住と相性がいいと言われています。

予め仕事がある状態で移住ができたら、地方での職探しに苦労することもありません。

 

佐渡にお住まいでテレワークをしている方にインタビューし、メリット&デメリットやライフスタイルについてお聞きしました。

そもそもテレワークとは?

テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。Tele(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語です。要するに本拠地のオフィスから離れた場所で、ICTを使って仕事をすることです。

 

テレワークは「場所にとらわれない仕事のスタイル」を実現できることで、働き方改革の手段として重視される一方、「人と人との接触」を減らすことができることから、近年は新型コロナウイルス等の感染症の拡大を防止する有力な手段としても注目されています。

 

テレワークを「働く場所」という観点から分類すると、自宅で働く「在宅勤務」、本拠地以外の施設で働く「サテライトオフィス勤務」、移動中や出先で働く「モバイル勤務」があります。

 

厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイトより

 

テレワークという言葉以外にも、リモートワーク、在宅勤務などと言ったりもします。

佐渡在住テレワーカーインタビュー

プロフィール 

Aさん

・東京出身

・20代女性

・Iターン

・夫婦移住

・会社員(東京の企業に所属)

・テレワーク歴8カ月

2023年4月取材

 

──佐渡でテレワークという働き方を選んだ理由を教えてください。

Aさん:きっかけは夫の佐渡移住です。
佐渡に来る前は東京に住んでいて、都内の企業に勤めていましたがそこはオフィス勤務が必須でした。なので佐渡に移住するとなったとき転職する必要がありました。
実家があり友人がいる東京へ行き来しやすいように、テレワークができる仕事が理想だなと思ったのが理由です。

 

──転職の際、佐渡ではなく東京の会社を選ばれたのはなぜですか?

Aさん:正直なところ、佐渡の企業でテレワークができるイメージがありませんでした。
東京の会社を選んだというよりも、テレワークが出来て、自分の経験を活かせ、今後のキャリア形成につながる企業を探していたところ、現在の会社に出会い採用が決まったという感じです。

 

テレワークのメリット&デメリット

──テレワークのメリットを教えてください。

Aさん:一番のメリットは東京の水準でお給料をもらえるところですね。
他には、完全テレワークなので移動時間がゼロになったところは大きなメリットだと思います。都内でオフィス勤務をしていた時は通勤に往復2時間使っていたのでそれを短縮できたのは大きかったです。
出社日が一切ないことで通勤のストレスがなくなりました。究極、出社10分前に起きて仕事開始なんてこともできますよ。(笑)
また、宅配便の受け取りもとっても楽になりました。いつでも家にいるので受け取りミスがなくなったのも良かったです。
フレックスタイム制ではないのでそこまで時間の融通は利かないですが、在宅なので始業前に洗濯機を回して、昼休み中に洗濯物を干すなど出来るので時間を有効に使えています。

 

──逆にテレワークのデメリットを教えてください。

Aさん:デメリットはなんといっても冬の暖房費がかさむことですね。
東京に比べて佐渡は寒いです。その上、古民家に住んでいるので隙間風もたくさん入り込んできます。
夫も在宅ワークすることがあるので、1日中それぞれの部屋で石油ファンヒーターを使うと、1週間で18ℓの灯油タンクが3つ空になるんです。
リッター120円として計算すると。。。それプラス電気代、ガス代、灯油ボイラー代ですからね。なかなかの出費になります。
来シーズンはもっと工夫が必要だなと思いました。

その他は、オフィス勤務に比べて同僚とのコミュニケーションが取りにくいと感じることがあります。
Slackを使って会話をするのですが、耳から入ってくる情報やその場の雰囲気で感じ取れる情報が全くないので、少し目を離しただけで会話が進んでいて溜まったチャットを全部読み込む必要があるのが大変と感じます。

 

佐渡暮らしが始まってからのライフスタイルの変化

 

──佐渡でのテレワーカー暮らし、ライフスタイルの変化はありますか?

Aさん:おうち時間の使い方、休日の時間の使い方を工夫するようになりました。
先ほどのメリットでもお話ししましたが、テレワークになって通勤時間がなくなり余裕ができたことで、おうちで豆を挽いてゆっくりとコーヒーを入れる時間を楽しんでいます。
東京で仕事していた時は通勤前後によくカフェへ行っていましたが、佐渡に来てその習慣がなくなったことで節約にもなりました。
平日にカフェへ行く機会がなくなった分、休日に島内のカフェへ行き美味しいコーヒーや食事を頂いたり、生活にメリハリをつけて休日をおもいっきり楽しむようになりました。
また、自然と触れ合う機会も増え、海を眺めて散歩したりしています。

 

──ご自宅以外でお仕事することはありますか?

Aさん:実はまだ自分の車を持ってなくて、佐渡に来てからずっと自宅で仕事しています。車がないと行動範囲が限られてしまいますね。
それと、業務の都合上ビデオチャットすることが多く、周りを気にせず仕事出来る場を考えると今は自宅が一番かなと思っています。
たまたまですが、同僚に佐渡出身の方がいて、その方が帰省中にSADO PORT LOUNGEを利用し「仕事しやすかった」と耳にしました。他にもHOSTEL Perchなど島内にコワーキングスペースがあると聞いているので、今後利用してみたいと思っています。

 

──佐渡在住ならではのエピソードなどはありますか?

Aさん:所属している会社は全社員フルリモートで北海道から沖縄まで全国に100名以上いるのですが、自己紹介をするときに「佐渡在住です」って言うとみんな驚きますね。それがキャッチフレーズとなって会話に花が咲いたりします。
また、夫の知り合いからのおすそ分けの量と品が多くてびっくりしました。海産物や野菜などその季節によっていろいろ頂けて、とってもありがたいです。東京で暮らしていた時はおすそ分けという文化が無かったので田舎ならではの暮らしを楽しんでいます。

 

──在宅でのお仕事だと人との繋がりを作るのが難しいと思うのですが、佐渡で交流を持つための工夫などしていますか?

Aさん:私自身、大人数のイベントなどに積極的に参加するタイプではないので、カフェの店員さんとゆるーくおしゃべりしたり、一足先に佐渡暮らしが始まっていた夫を介して一対一の人との交流を楽しんでいます。
幸いにも同じタイミングで佐渡移住した夫婦と知り合うことができ、その方とは共通点も多くて夫婦で仲良くさせてもらっています。

 

──移住するにあたって利用した補助金はありますか?

Aさん:佐渡市移住・就業支援金佐渡市若者移住家賃補助金を利用しました。佐渡移住が決まってからいろいろ情報を調べる中で補助制度のことを知りました。
二つの補助金とも条件を満たしていたので利用できてよかったです。支援金は家電購入費に当てたいと思います。

 

──佐渡暮らし1年目で慣れないことも多いと思いますが、今後の楽しみもたくさんありますね!

Aさん:そうですね、佐渡に来てから半年が過ぎ、やっと佐渡の暮らしのリズムに慣れてきた感じです。
移住前の昨年の夏、2週間ほど短期で佐渡に滞在していましたが、住むのは初めてなので今年の夏が楽しみです。
まだ行っていないお店や季節ごとに変わる佐渡の自然を楽しみたいと思います。
またこれから車を持って運転にも慣れたら行動範囲も広がるだろうし、焦らずに私たちのペースで暮らしを作ってゆけたらと思います。

 

 

最後に

最近は移住相談を行う中で「今の仕事がフルリモートになったので仕事の相談は必要ないです。」とおっしゃる方も増えました。

地方移住を検討する上でネックなのが「移住後の仕事、どうするか」問題。

現地の仕事だけを探すのではなく、テレワークというお仕事スタイルも選択肢の一つとして移住の準備を行うと、世界が広がり移住のハードルも下がるかもしれません。

 

移住前のハードルは一つ無くなった一方、知り合いが一人もいない状態でのIターン移住の場合「孤独を感じることもある」という声もあります。

そのような方へは当センターの交流会をご案内したり、島内のイベントや活動などをご案内したりと移住後のサポートも行っています。

移住後の戸惑いや新たな疑問なども生まれてくると思います。

どうぞ、お気軽にご相談ください。

お問い合せ

 

 

インタビューにご協力いただいたAさん、ありがとうございました。