発酵する島暮らし・子どもたちとお醤油搾り編(前編)

こんにちは。SUIコラムライターの齋藤です。

三寒四温が続く里山・平清水では蕗のとうや福寿草が芽吹き、ウグイスのさえずりが響いています。

冬の終わりと春の訪れを感じるこの季節、島内各地で「お醤油搾り」が始まります。

 

お醤油搾りって?

ここまで読んで、お醤油搾りって何?という疑問が湧いてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まずお醤油搾りについて、簡単にご説明させてください。

お醤油搾りとは、お醤油作りのほぼ最後の一工程のこと。

麹をおこして仕込み、約一年発酵・熟成させたものを搾ってみんなで頂く。

お醤油搾りの日、というのは言わばお醤油作りのハレの日。

仲間たちと手作りした搾りたてのお醤油と、持ち寄った美味しいものを愉しむ時間は至福です。(この時期ならワカメや山菜、佐渡は美味しい食材の宝庫!)現在島内には10チームほどお醤油を手作りしているコミュニティがあり、我が家の家業としてお醤油の麹づくりと搾りのお手伝いをさせて頂いています。

今回は先日行った、子育てサークル「野あそびっ子」さんとのお醤油搾りの会について書いていきます。

 

始まりは火起こしから

朝8時。

お醤油搾りの始まりは火を起こし薪をくべ、かまどでお湯を沸かす所から。

9時を過ぎると「おはよーございまーす!」と子どもたちの元気な声、長靴でドタバタ駆けてくる足音が聞こえてきます。

少し遅れて見えるのは、沢山の荷物を抱えた親たち。(お母さんたち、子連れで出かけるだけで本当にお疲れ様!)当日集まったのは小学六年生から0歳の子どもたちと子育て仲間たち、お手伝いに来てくれた友人たち。

このチームでお醤油搾りをするのは四回目。子どもたちも慣れた様子で軍手をつけ、「ぼくがやる!わたしがやる!」と積極的に火の番やバケツ運びなど色んな仕事を担います。

 

 

美味しい、を決めるのは人間の舌

お湯ができたら諸味(もろみ。大豆と小麦に麹菌の咲いた醤油麹に塩と水を混ぜ、約一年発酵・熟成したもの。)に少しずつ加えて混ぜ、お醤油の味を定めていきます。

ここで一番頼りになるのは子どもたちの純粋な味覚。

みんなで味見、相談をしながら「いい塩梅」を目指します。

毎年この段階で、「美味しい!美味しい!」と子どもたちの味見が止まりません。(彼らの美味しい!の笑顔って最高!)美味しい、を決めるのは私たち人間の舌の感覚なのです。

 

世界一おいしい醤油だ!

これで行こう!という味が見えて来たら圧力をかけ、諸味からお醤油を搾っていきます。

木製の道具からチョロチョロと澄んだ赤茶色のお醤油が出てくると、また味見をしに集まってくる子どもたち。

彼らから今年も、「世界一美味しい醤油だ!」のお言葉を頂きました。(この仕事をしていて一番嬉しい褒め言葉かも。)

 

次回は子どもたちとお醤油搾り(後編)ということで、搾りの日のお楽しみ「搾りたて醤油と持ち寄りランチ」の様子についてレポートする予定です。

発酵する島暮らしの記録をどうぞお楽しみに。

 

 

 

 

齋藤みらい
2015年、福島県郡山市から佐渡市へ移住。

同じくIターンの夫、三人の子どもたち、猫二匹、鶏九羽と古民家暮らし。

島の真ん中あたり、金井地区・平清水に生息中。家業はお醤油の麹屋さん。佐渡産天然醸造醤油も製造・販売中。
Instagramアカウント→@sadobishio