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【移住相談裏話?】サロン・ド・スイ『移住コーディネーターの憂鬱』#005私これで佐渡暮らしやめました。

こんにちは、佐渡UIターンサポートセンター熊野です。

 

去年度の佐渡へのUIターン者600人!・・・昨今リモートワークも進みUターンしやすくなった・移住しやすくなったのもあって、UIターン者は年々増えています。

それだけ身軽になった・・・半面「じゃあ他の土地に行こう!」と佐渡を離れる人も多くいます。そこら辺はあまり公表されてないですよね。

 

百人いれば百通りの佐渡移住があるように、百通りの佐渡離れがあるのかなと思い、佐渡を離れた人にアンケートを取りました。

正直偏りのあるアンケートかと思います。佐渡を離れた方すべてに連絡がとれるわけではありませんし、こちらが「アンケートをお願いします」とお願いして応えてくれる時点で佐渡との関係は良好なままの方であると、最初に申し上げておきます。ただ、佐渡を離れた○○さんに「○○さん!アンケートお願いします!」とは直接凸っていません。熊野圧力がかかりますからね、なので私からはSNSの拡散のみの呼びかけでした。

2024年1月6日投稿。1.4万表示/45リポスト/8ブクマ(1月13日現在) SUI史上一番反応!

 

とは言え、あくまで、ご参考程度に。

これから移住される方も「なるほど、そういうことがあるんだな」と心構えの情報として見ていただけると幸いです。

 

今回はなかなかの大作です!

それでは・・・Let’s Go!!

 

アンケート「私はこれで佐渡移住をやめました」

集計結果

集計数 14件 うち 有効なものは 12件 (外した2件は転勤によるものだったので、自分の意思で佐渡を離れたものを有効とします)

①現在の年齢

②佐渡に移住した年 2019年をコロナ前後で分けています。※アンケート内で表記あり。

③佐渡に住んでいた年数  ※お一人一度佐渡を出て再び戻った方がいますので2カウントしてあります。

 

佐渡に移住しようと思ったきっかけ

似たような回答もあったのでまとめますね。

1 佐渡の人との結婚・婚約を機に

2 自然の中で子育てをしたかった

3 人生の再スタート

4 旅・数年前に訪れ知り合いができご縁を感じた

5 祖父母がいた 両親がいた

 

佐渡を離れようと思ったきっかけ

こちらもまとめます。

1 【人間関係】知人ができず楽しくない。相談できる友だちがいない。仕事の人間関係が嫌になった。

2 【島民との感覚の違い】地元の縁が強すぎる。佐渡の人が冷たい。

3 【ライフステージの変化】結婚・離婚

4 【学校/教育環境】教育に不安。同級生が少ない。子どもの進路への不安。

5 【家の取得】改修の多い家が多く予算に見合う家が見つからなかった。家の資産価値の変動への不安。

6 【仕事】希望する仕事がない。給料が少なく残業代や交通費、の概念が少ない。

大体の方が3つ4つ理由をあげています。離れようと思うきっかけは複合的なものなんですが大体この6項目に収まりました。

 

 

具体的に佐渡で大変だったこと・辛かったこと

・特にない

・佐渡の人は冷たい。たとえばお店で買い物して店員に話しかけても冷たい…などなど

・男性用衣料店がほぼない。王将やケンタッキーなど好きな外食チェーンのお店がない。ユニクロ、無印良品、カルディ、成城石井みたいなお店がない。

・昔の古くさい習慣を押し付けられる。特に葬式と町内会。町内会は退会しました。

・クレジット使えない。飲食店営業時間短い。

・知り合いがいない。欲しいものがすぐに手に入らない。島にいるという疎外感

・買い物の幅がせまいこと、船に左右されること

・噂話が多い

 

※ちなみに現在、無印良品は小木港の売店やコンビニで、あとMUJIバスも来ます。成城石井はTSUTAYAに取扱いあり。ケンタッキーは10Pのチキンなら出張販売で買えます。

佐渡での一番の思い出(良いことでも良くないことでも)

・冬の寒さがマイルドなこと。2、3年に一度大寒波みたいなことはありますが。 スーパーで、地元の野菜や鮮魚が安くて美味しかったです。肉類は割高でしたが。 喧騒から離れていて、のんびりしているところ。朝夕の渋滞もほとんどない。

・海に潜ったこと

・ない。海、山、食べ物、本土で十分満足できると実感した。

・いい仲間に恵まれた事

・温泉、地域の人との関わり

・『ちょっと前はこうだったから』と、平成の頃やコロナ以前の価値観が当然みたいに話し合いが通じない。

・四季を感じられること

・思ったより、便利

・価値観や育った環境が違う人たちとどう共生していくかを考え続けた日々だった。振り返ると、それが我々親子共々にとって現在の糧になっている気がする。

・人が良い、自然がいい、どこを撮影しても映える

・基本的に楽しかった。老後はまた佐渡に帰るつもり。

ここから見えてきたこと、熊野目線

地域とうまくいっていた方は、佐渡での一番の思い出に地域の方とのかかわりを挙げていらっしゃいます。佐渡を離れる理由は【ライフテージの変化】や【学校/教育環境】に属する方が多く人間関係が理由でなさそうですね。

逆に、佐渡を離れる理由が「本土で充分」だったり「楽しみ、娯楽がない」といった方は【人間関係】や【島民との感覚の違い】にご苦労されたようです。あと移住期間がコロナ禍で1~3年以内の佐渡暮らしの方でした。

またUターン者が佐渡に戻り、佐渡から離れることも・・・そこで興味深いのはUターンした人が【島民との感覚の違い】に苦労されているということです。

【人間関係】や【島民との感覚の違い】と佐渡を離れた理由に挙げている方は全て移住者という訳ではないんです。

 

6年以上佐渡暮らしをした方が佐渡を離れる理由のほとんどは、掘り下げると【ライフステージの変化】だと思います。

・単身で移住したが結婚を機に島外へ

・結婚していたが離婚を機に島外へ

・子どもができて教育に不安があるので島外へ・・・

今回のアンケートでは拾い上げられませんでしたが、

・親の介護のため地元に戻る といった方も過去いらっしゃいます。これもまた【ライフステージの変化】ですね。(佐渡へUターンする方の理由も同じ)

 

あと思ったより「冬の厳しさ」を挙げる人がいませんでした。私は迷わず冬の厳しさですが、とはいえ毎年訪れる冬の厳しさがあるのに、佐渡に残っているのは「今のところ特段変化がない」からです。冬の厳しさ×ライフステージの変化があれば、そのときが私のD-DAYになるのでしょう。

 

 

現在も佐渡との関わりはありますか

最後に佐渡を離れたけど、まだ関わりのある方、どんな関わり方をしているのか聞いてみました。

・たまにLINEのやりとり。佐渡の季節の農産物・海産物を贈って下さる。お歳暮などでお返しする。たまに電話する。

・職場の同僚

・SNSで友達がいる

 

私は関係人口→交流人口→移住→定住からまた関係人口・交流人口に戻っていくと、色んな所で話をさせてもらっています。

今回この内容を見てもすっぱりご縁を切る人よりは、緩やかにつながっている方がやはり多いんだなと思いました。これが都会とは違う田舎の関わりで、佐渡を離れた方々も第二・第三のふるさとが佐渡であればいいなと思っています。

 

次に佐渡市役所が集めたアンケートもご紹介します。

さど暮らし体験住宅利用者の声

さど暮らし体験住宅、こちらは最長6ヶ月(住宅によっては2年)利用できる佐渡市が運営する移住体験住宅です。

さど暮らし体験住宅の予約状況をネットで確認!

体験住宅を退去され、そのまま移住に至らなかった方の声も拾いました。

【転出の理由・体験住宅利用期間】

20代家族連れ 便利すぎた。もう少し田舎な暮らしが理想 1か月

60代夫婦 妻が帰省した 1か月

60代男性単身 仕事が見つからなかった 6ヶ月

30代女性単身 仕事、家が見つからなかった 4ヵ月

60代男性単身 ただ体験したかっただけ 1か月

40代女性単身 職場環境に馴染めず疲れた 6ヶ月

30代男性単身 住まいが見つからなかった 6ヶ月

30代夫婦 仕事、家が見つからなかった 4ヵ月

30代男性単身 イメージは掴んだ。状況がと問えば本格的に移住を検討 6ヶ月

20代男性単身 仕事が見つからなかった 6ヶ月

30代家族連れ イメージは掴んだ 4ヵ月

60代男性単身 体調不良 1か月

 

移住に関する補助金を利用したが返還した方の声

佐渡市には移住をするときに家賃補助などの利用することができます。ただしこちらは「3年以上佐渡に住む意思がある方」というのが条件に含まれます。3年以内に佐渡を離れてしまった方返還義務が生じます。補助金の返還をされた方の声を拾いました。

【転出の理由】

30代夫婦 親の介護

30代男性単身 仕事が合わない

30代男性単身 仕事が合わない

20代女性単身 仕事が合わない

20代女性単身 親の介護

20代男性単身 仕事が合わない

20代男性単身 仕事が合わない

30代女性単身 仕事が合わない

20代家族連れ 体調不良

20代家族連れ 仕事が合わない

30代男性単身 仕事が合わない

20代家族連れ 親の介護

20代女性単身 親の介護

 

 

今回アンケート実施した感想

いかがでしたか?

 

今回のアンケートでおもしろかったのは、このXのポストを佐渡の人がとても興味深く拡散してくれたことです。

・・・にも関わらずなかなかアンケートが集まらない。まぁ、そうでしょう。きっと「何かあって」佐渡暮らしの縁を切ったんだから、佐渡のことはあんまりもう検索もしないんじゃないでしょうか。そしたらこのX投稿もなかなかその人にはリーチしなくなるでしょうし。。。

 

佐渡に在住の方が理由を知りたがっているという点には可能性を感じます。

佐渡を離れようと思った理由の1と2は、こちらの意識を変えれば少しずつ改善されるような気がしませんか?急な変化は無理でも、最初に掛ける言葉も変わってくるんじゃないでしょうか。「佐渡の人が冷たい」という人もいれば「いい仲間に巡り合えた」と言ってくださってる方もいらっしゃいます。えぇ、店頭などの「サービスは悪い」です。(良いとこと悪いとこの差がありすぎる)だからって心底佐渡の人が冷たいわけではないんですが、「冷たい」という印象を与えてしまうというのはこちら側の非ですね。(観光の島って言ってるんだからもうちょっと何か意識変われないの・・・って私も常々思ってる)

 

佐渡市が実施したアンケートでは家や仕事が見つけられず移住を断念された方結構いらっしゃいますね・・・

佐渡暮らしをスタートするにはまず【仕事】【家の取得】です。そのあと住んでいくうちに【人間関係】【島民との感覚の違い】に戸惑っていくでしょう。

佐渡暮らしの入口として【仕事】【家の取得】が大きく影響していることがわかるのが最後に載せた「さど暮らし体験住宅利用者の声」「移住に関する補助金を利用したが返還した人の声」です(移住交流推進課調べ)

【仕事】に関しては、仕事の種類は一朝一夕では難しいですが、今ある職場の労働環境を見直すことはできます。「他の会社もこうだから」の「他の会社」は島内だけではないですか?全国の会社の取り組みを勉強しているでしょうか。今はどこも人手不足。他に人財が流れないよう職場環境の見直しをし従業員からのヒアリングをしっかりしているところはたくさんあります。

【家の取得】についてはどうでしょう?私がこの仕事に関わるようになって10年。最初のころより空き家バンクは稼働しているし空き家への問題意識も持つようになったとは思いますが、いまだに空き家の問題は「仏壇」や「不要物の多さ」です。

しかし、今離島留学で生徒呼び込みに頑張っている地域での問題は「家がない」です。入学したい島外の親子はたくさんいるのに「家がない」んです。まさか、と思うでしょうけど貸してくれる家も売ってくれる家も足りていません。その地域を皮切りに本気で空き家について取り組まなければいけないときです。

(佐渡暮らしの入口は今後佐渡市が一本化の窓口を作りました。SADO PORT LOUNGE ぜひご利用ください!予約なし、年中無休でやっています!)

 

 

SUIとして今後力を入れてやって行くことは、住んでいくうちに感じる【人間関係】【島民との感覚の違い】の戸惑いを少しでも軽減していくことだなと今回のアンケート結果を見て思いました。それに注力することでSUIの掲げるスローガン「40年後の茶飲み友だちをここで」を実現できるはずです。

 

 

さ、皆さんには何ができますか?今回のアンケート結果に興味を持っていた佐渡の方はどう行動しますか?一人一人の行動が「もっと佐渡に住んでみようかな」という人を増やすかもしれません。