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2022年12月18日(日)、12月23日(金)寒波がやってきました
2022/12/18、島内は強い冬型の気圧配置となり大雪が降りました。
(局地的に大雪を降らせる日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)という長い名前の雪雲が発生していたようです。)
今回の大雪、気温がそこまで低くなく、風も無くて、静かに降り積もる尚且つ、重い雪でした。
その雪の重みで島内いたるところで倒木が発生し、竹がしなって道が塞がれる事態が発生しました。
また、その倒木が、電線を切断し、停電も発生しました。
本土で暮らしてきた方にはあまり身近ではないと思いますが、佐渡市の冬はたまに停電が起きるんです。
強風と潮風によるものだったり、先にお伝えした倒木や雪の重みでしなった竹によるものだったり、原因は様々です。
佐渡暮らし3年目、国中で暮らすSUIスタッフは佐渡に来て停電を冬に2回、夏(雷が原因)に1回経験しました。
佐渡暮らし8年目、同じく国中で暮らすSUI代表からは、多分5回以上は経験していると聞いています。
とは言え、今までは停電が発生したとしてもいつも1時間程度ですぐに復旧していて、長時間・長期間による停電はありませんでした。
しかし、今回の停電は今までの規模と違い、島内複数のカ所で倒木・倒竹が同時多発的に発生し、長期間の停電となりました。
一番ひどいところで12/18(日)から停電が発生し、この記事を書いている12/27(火)もまだ復旧していない地区があります。
倒木・倒竹を処理→除雪→電線修理、12/23に再び大寒波がやってきたことにより、新たな倒木・倒竹も発生しました。
新潟県内、佐渡島内の物流がストップ
12/23(金)は佐渡汽船のカーフェリー、ジェットフォイルともに全便欠航、翌日12/24(土)はカーフェーリーの最終便1便だけ就航しました。
船の欠航により、本土から物資が運ばれなくなります。
写真の通り、スーパーのパンコーナーとかコンビニの食品はすっからかん。
肉製品も国中から離れたスーパーでは品切になっていました。(国中のスーパーでは牛・豚。鳥すべて揃っていました。)
とは言え、島外から運ばれてくるヤマザキパン類は全てすっからかんでしたが、佐渡のローカルパン屋さんの中パンは生産量を2.5倍に増やし島内の需要にこたえていました。
NHK NEWS WEB フェリー欠航で物流滞る 佐渡市のパン工房 総出でパン作り
離島であるということ
佐渡はお店もたくさんあるし、離島ということを忘れてしまうくらい不便のない暮らしができますが、今回のような災害が起きた時やはり不便だなと感じます。
好きで住みたいと思って佐渡に来ましたが、早起きして雪掻き、冬場の停電、毎シーズンのタイヤ交換、スノーダンプやシャベルなどの冬グッズの買い揃え、冬の生活のために使う労力やコストについて、「なぜ私はこんな思いまでしてここで暮らしているのだろう?」とつい考えてしまいます。
雪が降らない地域であればこんな悩みや苦労はありませんからね。
もちろん、今回のような災害級の冬を毎シーズン過ごすわけではありません。
地元の年配の方も、こんなに長期間停電するのは初めてだと言っていたのを耳にしました。
離島だから島内にいる作業員が限られている
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本土から応援隊が来ようにも船が欠航してしまっては応援に来られない
↓
復旧まで時間を要する
↓
また雪が降る
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被害が拡大
このような図が出来上がることは容易に想像できます。
今回の大雪に限らず、今一度、佐渡に暮らすということ、離島ということを考えて、非常時の備えと覚悟を持った暮らしが必要なんだと感じました。
また、この災害をきっかけに気付かされたことがあります。
それは、ご近所付き合いの大切さ。
島内では一人で暮らすお年寄りの方がたくさんいらっしゃいます。
今回のような大雪が降った場合、お年寄りの体で雪掻きを行うのは限度がありますし、停電が発生し、電話線が切断されて情報を得る手段が絶たれてしまった場合、人力での安否確認が必要になります。
その時、隣近所に誰が住んでいるかもわからない、名前も知らない状態のままだったら命に係わることにも繋がりかねません。
佐渡でも都会のままの薄いご近所付き合いをしていたら孤立してしまうことが容易に想像できます。
佐渡市の災害情報をチェック
災害が起きた時、どのように情報を得るか?ですが、ネットにつながる状態であれば佐渡市ホームページを確認するのが一番です。
停電情報、避難所情報、無料で利用できるお風呂情報などが確認できます。
また、メール配信サービス、各SNSをフォローすることでも災害情報を得られます。
佐渡市メール配信サービスと、佐渡市公式LINEでは配信内容が若干違います。
今回の災害ではメール配信サービスの方が防災関連の情報が多く届いていた印象です。
両方登録すると万全です。SUIスタッフも両方登録しています。
もし、電気もない、電波もないといった状況になってしまったら、ご近所同士の声掛け、近くの行政サービスセンター・支所へ行き状況を確認することになります。
停電の状況を確認する
停電の状況は東北電力のwebサイトにて確認できます。
がしかし、ここに上がっている情報は高圧線の停電状況のみ。
それ以外の低圧線、引き込み線の停電状況は確認できません。
停電しているのにwebページにも掲載されていない場合、東北電力への問い合わせが必要です。
高圧線の復旧した地域でも、引込線断線などの原因により、一部停電している場合があります。
お気づきの点は、ネットワークコールセンター(0120-175-366)までご連絡をお願いいたします。 pic.twitter.com/JGbwlhfMYC— 東北電力ネットワーク株式会社 (@Tohoku_Network) December 26, 2022
倒木が電線に引っ掛かっている現場を見かけた場合、東北電力のチャットから情報提供できます。
実際、SUIスタッフもこの寒波で倒木が電線に引っ掛かる現場に遭遇し、チャットで問い合わせをしました。
操作は簡単で、位置情報・現場写真・現場近くの電柱番号を写真に撮り、氏名・電話番号を送信するだけでした。
翌日、東北電力から現場確認の電話がありました。そのまた翌日に「倒木を処理した」との連絡もいただけました。
素早い対応に感謝です。
冬の災害に備える
佐渡市のwebサイトに停電に備えるための案内が出ています。
懐中電灯、ランタン、卓上コンロ、モバイルバッテリー、石油ストーブ、防寒具、電池、ラジオ、カイロ、非常食、灯油、車のガソリンは満タンに。
「あ、停電になったから石油ストーブを買いに行こう」では遅いのです。みんな同じものを求めているんですから。
また、停電が起きた時、断水が起きた時、倒木が起きた時、どんな対処が必要でどこに助けを求めたらいいのか、ちかくに頼れる人はいるか、事前にシミュレーションをしておくことも大切です。
停電や電線に関することは東北電力
倒木・除雪は佐渡市建設課
災害全般に関すること佐渡市防災課
普段市役所等、行政機関を利用する機会ってあまりありませんが、こういう時にしっかり利用して安心・安全に生活をしてきたいものです。
最後に
島内車を走らせていると、電力会社の車、除雪車がひっきりなしに通っているのを見かけました。
東北電力管内から約300名の作業員が来島し、復旧作業にあたってくださっと聞いています。
その他、除雪作業、停電・倒木地域の安否確認、避難所の整備など、この寒波による被害の復旧作業に尽力していただいた方々に心から感謝します。
災害はいつどこで何が起きるか分かりません。
災害に対する知識、日頃の備えが全てです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。