目次
トキ博士への道④
今まで①②③お届けしてきました「トキ博士への道」ついに最終回④のお届けです!
過去記事まだ読んでないよ!という方はこちらも併せてご覧ください。
トキガイド養成講座を受講
トキガイド養成講座は全部で7回、週に1回のペースで平日の夜、仕事が終わる時間帯の18:30~新穂のトキ交流会館で行われました。
トキに関する基礎知識から、野生復帰への取り組み、トキのみならず佐渡の野鳥の知識、世界農業遺産、ジオパーク、ビオトープなど、トキに関連することを幅広く学びます。
第6回の講座では田んぼやビオトープの生き物について学びました。講師は瀧谷大学の准教授。
生きていくうえで必要不可欠な餌。
今回の講義で学んだトキの餌場となる田んぼについてお伝えします。
現在田んぼに生息する動植物の数は6000種以上確認されていて、昆虫類、爬虫類、貝類、鳥類、魚類、植物、細菌、藍藻類などなど、本当にたくさんの生物が生息しています。
佐渡の農道を走っていると、春頃水を張った田んぼや、冬は雪が降り水がたまった田んぼでトキが餌をとっているのをよく見かけます。
しかし、夏は田んぼの中というよりは、田んぼ近くの草原や、畦、溝などで採餌するようになります。
なぜかというと、夏場は、稲の背が伸びてトキが田んぼに入れなくなってしまうから。
確かに、トキは成鳥で体長約75cmとわりと大きいので、育った稲の中をかき分けていくのは難しそうですね。
餌場が変わると餌の内容も変わり、陸で生きるミミズや小型の無脊椎動物を食べるようになります。
人間が夏になるとスイカやキュウリを食べて「夏だな~」と感じるように、トキもミミズや小型の無脊椎動物を食べている時は「ああ夏が来たね~」なんて思ったりしているんでしょうか。
また、トキの餌として確認されている生物はタニシ、アカハライモリ、ドジョウ、アメリカザリガニ、ガムシ、ヤゴ、ガガンボの幼虫など。
瀧谷大学の研究によると、その中でもキリウジガガンボの幼虫が好みのようでたくさん食べているようです。
ガガンボって、あれです。
手足が細長くて、ふらふらと飛んでいてい、蚊がでっかくなったような見た目をしていて、刺したり嚙んだりはしないけど、まあまあうっとうしい、あの虫です。
あえてここで画像は載せませんが「ガガンボ 幼虫」で検索すると、芋虫のような姿を確認できると思います。
佐渡市ではトキの餌場を守ろうと「佐渡市トキビオトープ整備事業」を行っています。
トキビオトープとは・・・
トキが通年にわたり餌を探すことができ、トキの餌となる様々な生物が生息できるよう、休耕田などを活用して維持管理されている水辺環境のことをいいます。
トキビオトープがあることで、稲が育って田んぼに入れない時期も、冬場の田んぼに水が張られていない時期もトキが餌を探しやすくなります。
現在佐渡市には500羽を超える野生のトキがいます。(佐渡トキファンクラブより)
佐渡で暮らすトキの数がここまで増えたのも、トキの餌場となる田んぼの整備が住民の努力によって行われてきたからだと思います。
第7回の講座、佐渡ジオパークについて、佐渡金銀山については都合が悪く出席できませんでした。
後日、当日配布資料が自宅に送られてそれを元に勉強しました。
元々、SUIスタッフはジオパークに興味があり、ジオパーク島内ツアーに参加したり、YouTubeぶら~りジオパークだっちゃ!を好きで見ていたりしたので、資料の内容はすんなりと入って来ました。
過去問で傾向と対策!
全7回の講座が終了し、検定試験に挑みます。
学んだ内容をすべてインプットできたらそりゃ最高なのですが、合格するためには試験の傾向を知り、対策を行うことも重要です。
佐渡トキファンクラブに過去問題が掲載されています。
試験会場にいる自分をイメージしながら、それぞれ2回ずつ問題を解きました。
今年度の試験受けてみようかな?と思っている方はこちらどうぞ。
試験当日
12月中旬、試験当日は朝から大雪!
午後14時からの試験だったのですが、中止や延期になるんじゃないかとハラハラしていましたが、その連絡が来ることもなく無事に開催されました。
試験会場に着いたら試験開始まで少し時間があったので、最後の最後まで講義でもらった資料を読み込みました。
緊張感が漂う中、試験官の合図のもと試験が始まりました。
ーーー試験終了。
講座で学んだ知識、その時の自分のすべての力を出せたと思います。
あとはおとなしく合格している!と願って結果を待つだけです。
結果は1カ月後、佐渡トキファンクラブのwebサイトで発表されます。
結果発表
結果発表当日、スマホのブラウザにいつでも更新できるように佐渡トキファンクラブのページを開いた状態にして、発表を待ちます。
SUIスタッフの受験番号は016番。
トキガイド検定には合格できましたが、残念ながらトキ博士は不合格の結果となりました。。。😢
合格者発表のページに検定試験の解答も載っていたので、自己採点してみます。
全40問中、29問正解。
8割(32問)以上正解でトキ博士になれたということは。。。あと3点足りなかった。。。悔しい。。バッチ欲しかった。。。
どうあがいても仕方がないですね。終わってしまったことですもの。
真面目に講義を聞いていたつもりでしたが、野鳥やジオパーク、ビオトープなど幅広い分野の知識が必要でベースの知識が無さ過ぎて撃沈しました。
後日、立派な額に入ったトキガイド合格証書が自宅に届きました。
発表された内容では全問正解された方もいらっしゃったとのことで、これまたびっくりです。
毎年開催されているトキ検定は何回受けてもいいとのことなので、きっと何度も挑戦されてトキを極めている方なのだと思います。(すごすぎる!)
この検定はトキそのものの知識だったり、トキに関連する取り組み、そこから派生した佐渡の野鳥の知識だったり、ジオパーク、ビオトープに関すること、様々な分野に分かれて知識を学べます。
この講座を受けたことで、今までなんとなーく知っていたトキ関連の知識がより深まった気がします。
全国的には大変珍しいけど、佐渡に暮らしていると当たり前に遭遇するトキ。
島外から観光できた方には野生のトキを見るととても喜びますし、こんなにたくさんのトキがいることにも驚かれます。
その際、トキの豆知識を一言添えられると、その方の佐渡滞在が一つ豊かになりますよね。
2003年日本産のトキは絶滅しましたが、中国から譲り受け、様々な取り組みにより野生下で500を超えるトキが現在佐渡で生息しています。(2023年4月時点)
再びトキが空を舞うこの佐渡という土地に暮らしていること、これはとても貴重なことなのだと思いました。
全4回に分けてお届けしたトキ博士への道。
残念ながらトキ博士になる夢は叶いませんでしたが、今回学んだ知識をもとにこれからも佐渡のトキやそれに関連する取り組みなどを学んでいきたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
4月から新生活がスタートし、習い事や学びを始めたい方もいらっしゃると思います。
今年度のトキガイド養成講座の情報はまだ出ていませんが、トキガイド養成講座でも学ぶ佐渡ジオパークではジオパーク市民講座を開講しています。
この機会に是非学んでみてください。
トキガイド養成講座について興味のある方はこちらにお問い合わせください。
佐渡市役所 農林水産部 農業政策課トキ・里山振興係
0259-24-6550