佐渡の伝統芸能、鬼太鼓。
新型コロナウィルスの影響でここ3年ほど中止となる集落が多かったですが、今年はいつも通り開催されるところが多いようですね。
住んでいる地域の鬼太鼓も今年は開催されると聞き、早速見学にいきました。
鬼太鼓の朝はとっても早く、朝6時に地域の神社からスタートします。
お宮の前に集まり、神主から祭事を受けます。
朝の静けさ、凛とした空気とその場の緊張感が相まって厳かな雰囲気が感じられました。
その後お宮の前で獅子舞、青鬼、赤鬼の順で鬼太鼓を舞います。
その後、集落一軒一軒を回り門付けを行います。
その年の区長のお家からスタート。
最初に獅子舞が登場し邪気を払います。
獅子舞は子どもも参加できるようで、地元のお子さんも一緒に獅子舞を披露していました。
この門付けとは、その一年の家内安全や無病息災、五穀豊穣などを祈る儀式のことを言います。
迎え入れる側は正玄関の扉を開け、家主は玄関で座って鬼太鼓を見守ります。
門付けが終ったらお振舞い。
向かい入れた側が食事を提供してもてなします。
この日はとても寒かったのであつあつの豚汁をいただき身体の芯から温まりました。
地元で作られたお米の美味しいおにぎり、漬物や卵焼き、へんじもっこのソーセージなども用意されていました。
これから夕方まで続く門付け。みんなで朝ご飯を頂きエネルギーチャージをします。
暖をとってもらうようにと七輪も用意されていました。家主さんの気づかいが感じられますね。
お腹も落ち着き、しばし歓談し次の家へと向かます。
おもてなし方法にルールはありません。
ほとんどのお家ではお菓子や、ミカン、飲み物など軽めのお茶菓子などを提供していました。
紹介したお料理などたくさん振る舞うのはその年の区長さんだったり、長年食事を提供しているお宅だったり限られたお家のみですべてのお宅で豪華な食事を提供する必要はないようです。
鬼太鼓に門付けしてもらったらお花代(ご祝儀)を渡します。
SUIスタッフもコンビニで買ったご祝儀袋に包んで渡しました。
どのくらいの金額を渡していいか分からなくて、ご近所の方に相談し大体3千円くらいが相場のようだと教えてもらいました。
島外から来た私は鬼太鼓がどういう祭りで、門付けとは何かも知りませんでしたが、今回初めて地域の鬼太鼓を見学させていただき、佐渡の昔から続く伝統文化に触れる機会を持てたこと、集落の方とも楽しくお話しできたことが何より良い体験となりました。
鬼太鼓はまだまだ続きます。
4月15日を中心に行われるところがほとんどのようですが、各集落でスケジュールが出ているのでチェックしてみてください。
鬼と聞いて連想されるイメージは恐怖とか、悪者とかが多いと思いますが、佐渡の鬼は恐怖の対象としては見られてはいません。
お面は迫力のある顔をしていますが、子どもたちを驚かすこともなく、逆に佐渡の子どもたちにとって鬼はヒーローのような存在として親しまれています。
実際に体験したことなのですが、以前知人の3歳の子と外で鬼太鼓のYouTubeを見ていた時、近くにいた同じ3歳くらいの男の子がやってきて「わー!鬼さんだ!」と目を輝かせて一緒に真剣にその動画を見ていました。
「鬼好きなの?」と聞くとその子の目の色が変わり、かっこよく鬼のポーズを決めてくれました。
それくらい佐渡の鬼太鼓は子どもたちにも人気ですし、昔から親しまれているものなんだと知る出来事でした。
佐渡の鬼太鼓について詳しく解説された佐渡芸能アーカイブも併せてご覧ください。
鬼の数だけ、舞の数もあると言われる鬼太鼓、機会があったら他の集落の鬼太鼓も見学させていただきたいと思いました。
友人を頼りにその集落の鬼太鼓を見に行って、流派の違いなどを少しずつでも見て感じてみると楽しそうですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。