SNSはアイディアと発見の宝庫! こんにちは、SUIの棚村です。
先日、「共同チラシ」や「Re.tsucl(リツクル)」でお馴染みの佐渡中央印刷所さんのこんな投稿を目にしました。
手が空きがちな6月なので、倉庫の片付けをしていたら昔の版下が出てきました。
なんと文字も絵も手書きで、その技術にびっくり!
ぜひ拡大して見てみてほしいです🔍✨#佐渡 #印刷 #レタリング pic.twitter.com/C2qOFsn9Cr— 佐渡中央印刷所 (@s_chuprt) June 3, 2024
お土産売り場で見かける海産物の包装デザインが手描きで!?
こちらは『版下』と呼ばれるもので、アナログ製版がされていた時代に、紙に写植などを貼付けてレイアウトしたもののことだそう。
印刷用語には明るくないので、『レタリング』の工程については各自で調べていただくとして… とにかく気になる!!
気になったら即行動してしまう性分の人、いますよね。
かく言う私もそのひとり。
印刷のことは詳しくないけど行っていいものなのか…
でも見に来てくださいって言ってくれているし…
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来ちゃいました。
タイトルでネタバレしている件についてはさておき、今回は制作と紙小物部門Re.tsuclの臼木さんと本間さんにお話を聞きに伺いました!
版下を見せていただく、ちょっとその前に
佐渡中央印刷所は昭和36年創業、佐和田地区 長木に位置する印刷所です。飲食店や観光地とは違い、なかなか “遊びにいく” 場所ではないですが、佐渡島内でさまざまなデザイン・印刷を手掛けていらっしゃいます。
臼木さん
「お客様のほとんどは島内の方からで、個人の方もいらっしゃいますが、企業や店舗の方からのご注文が多いです。紙モノだと、名刺・チラシ・封筒、他にもシールや缶バッジ、クリアファイルなども印刷できます。稀にくるものだと書籍などのお話もありますね。 イラストの描けるスタッフもいるので、手ぶらで来ていただいてもデザインから納品まで自社でできることは強味のひとつです!」
紙やサイズを選んで数枚だけ、ちょっとこのサイズに切ってほしい、などの注文もOKだそう。島内で直接相談できて、紙の質などを触りながら自分の中のこだわりを一緒に探っていけるのは魅力ですね。 紙小物部門 Re.tsucl【リ.ツクル】についてもお伺いしました。
本間さん
「紙小物部門 Re.tsucl【リ.ツクル】は、2019年に臼木さんとふたりで立ち上げてスタートした活動です。断裁のときに出る紙の「はしっこ」や、倉庫の片隅に眠る紙を使って、もう一度何かをつくれたらという気持ちから始まりました。」
製品にしづらいものは不定期に無料配布されているとのこと。(SNSを要チェック!!)
はしっこ紙を貰いにいくだけももちろん、立ち寄るついでに、作りたいものについてちょこっと相談するのもOK! ご相談はお気軽にお電話・Webサイト・公式X・Instagramからどうぞ ♪
昔の手仕事はスゴイ!!
さてさて、今回の本丸を見せてもらいましょう!
縦20㎝、横30㎝くらいの段ボールに、版下と呼ばれる紙がみっちり!
暗所で保管されていたということで、光による劣化も無く、濃淡や細部までしっかりと感じられます。おふたりにも版下で好きなポイントを聞いてみました。
臼木さん
「私は絵柄というよりも、地味なんですがこういう手描きの文字が気に入っています。同じフォントっぽく見えるように書いているのがすごいなと。」
本間さん
「これも、フリーハンドなのに同じように書いてすごいと思いました。丁寧な仕事ですよね。」
ここで、当時から現在までエースとして在籍しているKさんにお話をお聞きしました。
Kさん
「かなり以前の話にはなるけど、昔はやっぱりこういうスタイルで作っていましたね。これが普通だったもんだから、文字も写真植字機を使うなど、ほとんど手作業でした。パソコンのように色分けができないんで、版画と同じくその色ごとに版を分けて、4つの版を重ねて1枚を仕上げる。今やると面倒くさいなと思うけど、当時は普通だと思ってたから(笑) その当時にこういう会社に入る人ってのは、そういう学校を出てきたって人が多かったですね。 」
佐渡のご実家も印刷会社だったというKさん。現在は作業もデジタルが主になっているそうですが、字もイラストもやはり上手なのだとか!
臼木さん
「今回、取材に際して従業員に事前インタビューを行ったのですが、私やKさん含め、16人中12人がUターンでした。 水道屋さんで働いていたとか、船に乗っていたとか、一緒に働いているのに全然経歴とか知らなくて、聞いてみて楽しかったです!」
眠っているお宝をさらに発見!
なかなか印刷所の中に入る機会もないので、ここぞとばかりに印刷所の中を見せていただく図々しさ100%の私。まず見せていただいたのは『活版印刷機』です。
プリンター印刷が当たり前になってきた現代。
手間がかかり、1枚として同じ “にじみ” や “手触り” の無い活版印刷が、再注目されています。ポコポコとした文字はなんとも言えないかわいさ。 名刺やショップカード、特別なパーティーの招待状などに使ってみたいですね!
最後は、観光地やホテルのチラシやパンフレットに使っていたという、ポジフィルム?のようなものを見せていただきました。
尖閣湾などの観光地の昔の姿や、地域のお祭り、建物、人などがこんなに!
右上の鬼太鼓は見たところ新穂青年会とありましたが、建物や鬼太鼓や佐渡の民俗の歴史を調べている方にはヨダレものかもしれませんね。
下の引き出しにもまだまだあり、版下もあわせてぜひグッズ化!展示会を!…とも思ったのですが、やはり権利関係や肖像権の連絡が難しいとのことで今のところ🙅♀️だそうです。(そりゃそうだ) 「見てみたい!」という方は、こちらも佐渡中央印刷所さんにご連絡を。
今回、何の気なしにXへの投稿をしたものへ思わぬ反響があり驚いたという臼木さん、本間さんのおふたり。会社や地域の当たり前になっていたものが、実はすごいモノ、すごい人だった…!? 「うちのこんなものも、どうでしょう?」という声もお待ちしています。
佐渡中央印刷所のみなさま、ありがとうございました!