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佐渡に春を告げる種まき猿
佐渡の山に猿が出没しました。
その名も種まき猿。
標高1,172m、佐渡の最高峰の金北山(きんぽくさん)に毎年春になると現れる雪形です。
猿がカゴを持って種をまいている様子に見えることから種まき猿と呼ばれ、佐渡の春の訪れを感じる風景として佐渡島民に親しまれています。
昔からこの種まき猿が現れたら田植えや農作物の準備をする目安にしていたということです。
例年だと3月下旬〜4月上旬に現れるそうですが、今年は3週間ほど早く姿を見せてくれました。
佐渡種まき猿の民話
この種まき猿について民話があります。
本線沿い金井保育園の近くに種まき猿の民話の石碑があり、そこにはこのように記されています。
種まき猿 一報恩のおしえい
むかし大雪の年 腹をすかした山猿が里へ降りてきて村人に一飯の施しを受けた
その恩返しに毎年種まきの時期を教えると約束
ある朝 金北山に大きな猿が種をまく形で現れた
それを見て苗代に種をまいたところ豊作に恵まれた
それからこの地方では毎年種まき猿に合わせて種をまくようになった
鶴の恩返しや、浦島太郎など、動物の恩返しにまつわる昔話は聞いたことありますが、佐渡にも同じようなお話があるんですね。
「よし!今後佐渡でお腹を空かせてそうな猿を見かけたら助けよう!なんかいいことあるかも!」
と強欲丸出しな考えを思いつきましたが、実は現在佐渡には野生の猿は存在しません。(残念。)
大型の野生動物も存在せず、見かける野生動物はたぬき・テン・うさぎくらいです。
また、佐渡市畑野に佐渡でも秘境と言われている猿八という地名があります。
民話で種まき猿のお話もあるし、猿八という地名も存在するし、もしかしたら昔々には佐渡に猿が存在していたのかもしれません。
種まき猿の石碑があるのはこの辺り。
実は佐渡に猿がいる
佐渡に野生の猿はいないとお伝えしましたが、実は1匹だけ猿がいるんです。
真野公園に。
ああ、この子、飼われている猿とは言え、お腹空かせていそう。
食べ物を恵んでやろうかな。。。。ふふ
ネットの情報によると名前はモモコ。女の子なんですね。
以前は群れで暮らしていたそうですが、数を減らし、今は1匹だけに。なんだかとっても寂しそう。
民話種まき猿の子孫なんてこともあるのでしょうか?
モモコがいる場所はこちら。真野公園の遊具の辺りではなく、割烹 夕鶴の近くです。
種まき猿どんな姿に見える?
ところでこの金北山に現れる種まき猿。みなさん頭の中でどんな姿を思い描いていますか?
私は初め、このような猿を想像しました。
猿が左向きでお尻のあたりに籠を持っているの図。
人それぞれ思い描く猿は違うようで、
四つん這いになっている猿の図。(いや、ゴリラ。)
ボーリングの球を投げようとしている猿の図。
通勤カバンを持つサラリーマンの図。(もはや猿ではない)
などなど。いろんなイメージを共有しましたが、
ここで一つみんなの意見が一致していることがあります。
先に紹介した「種まき猿の石碑の猿のような姿には決して見えない」ということ。
大人の想像力が乏しいだけなのか?
みなさんにはどう見えていますか??
全国の雪形
佐渡の金北山に現れる雪形、種まき猿以外にも全国各地で雪形は存在します。
代表的なもので
- 長野県と富山県にまたがる白馬岳に現れる代掻き馬
- 長野県と富山県にまたがる駒ヶ岳に現れる武田菱
などがあります。
wikiによると実は全国で新潟県が一番多く、約170個もの雪形が確認されていて、次に長野県で60個の雪形があるそうです。
ネットで検索するとたくさんの雪形が出てくるので見ていると面白いです。
最後に
日本人はお月様の模様を餅つきしているうさぎを想像しますが、海外ではカニに見えたり、ロバに見えたり、本を読む人に見えたり。
雪形もそれと同じように特に正解などはなく、それぞれ思い描くままでいいのだと思います。
冬が始まった頃雪化粧した金北山の美しさに見惚れ、また雪が溶け始めた金北山の景色に春の訪れを知り喜びを感じる。
佐渡で生活しているとショッピングモールやデパートのショーウィンドウでは表現できない季節の移り変わりを自然から感じることができます。
佐渡にはもしかしたら種まき猿以外の雪形も存在するかもしれません。
これから徐々に気温が上がり、雪解けが始まってさまざまな山の表情を見るのが楽しみです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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