最近移住の話題で何かと耳にする、二地域居住。
今年2021年政府は「全国二地域居住等促進協議会」を設立し今後本格的に二地域居住についての取り組みがなされていく様子。
そこで実際に「佐渡ー東京」で二地域居住生活をしている方にインタビューしました。
二地域居住の本音、メリット&デメリットを知り、今後佐渡と他地域の二地域居住を考えている方へ読んでいただきたいです。
目次
二地域居住とは
まずインタビューに入る前に二地域居住とはどんなものなのかお伝えします。
上記に紹介した全国二地域居住等促進協議会 によると、
二地域居住とは、主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む。)をもうける暮らし方のことです。
とあります。
コロナ禍でテレワークが普及し、二地域居住のハードルも下がり近年増えつつある生活スタイルです。
平日と週末で拠点を変えたい、もっと自然と近い暮らしをしたい、仕事のため、農作業を行うため、療養のため、家族の介護のためなど、二地域居住を送る人の理由は様々です。
ちなみに二地域居住を別の言い方では「デュアルライフ」と呼び、
デュアルライフを楽しんでいる人を「デュアラー」と呼ぶそうです。
二地域居住者インタビュー
プロフィール
Kさん
30代男性 Uターン 単身移住
仕事:自営業リモートワーク
拠点場所:佐渡ー東京
2021年9月取材
二地域居住先に佐渡を選んだ理由を教えてください
小学校低学年まで佐渡で育ち、家族の都合で東京へ引っ越しました。拠点が東京に移っても夏休みを利用し何度も佐渡へ遊びにきていました。
その後、社会人になってから友人と改めて旅行に来て、佐渡の人・地域の魅力に改めて気付かされ佐渡での暮らしを強くイメージするようになりました。
なぜ移住ではなく、二地域居住を選ばれたのですか?
大きな理由は仕事のため。仕事で東京の会社との関わりがあるため、東京を完全に離れることができませんでした。
けど佐渡でも暮らしたい。様々な生活スタイルを検討した結果、
「よし、二地域居住だ!」となりました。
もう一つの理由としては、季節によって居住場所を変えたいから。佐渡の夏は最高に楽しいですが、佐渡の冬はあまり好きではありません。
冬場は佐渡で過ごすよりも、青空で雪がほとんど降らない東京での暮らしを楽しみたいと思っています。
二地域居住を始めてどのくらい経ちましたか?
イメージ通りの生活はできていますか?
佐渡ー東京の暮らしを始めて、半年が経ちました。
実際に二地域居住をしてみて思ったより大変だなと実感しています。生活がかなり忙しくなりました。
佐渡ー東京 と結構距離が結構あるので、移動に時間が取られてしまいます。車移動となると特にです。運転中は何もできませんからね。車移動・新幹線移動ともに片道5〜6時間かかります。
どちらに比重を置いて生活していますか?
月1回の行き来をしていて、
割合としては 佐渡:東京=3:2 くらいです。
現在(9月現在)は佐渡での滞在日数を多くとっていますが、冬になったらきっと逆転すると思います。
それぞれに生活スタイルを分けていますか?
意識して分けているわけではありませんが、両地域の環境が違いすぎるので自然と息抜きの方法、仕事の内容が変わってきます。
息抜き方法としては、佐渡では海に入ったり、釣りしたり自然と戯れることが多いですし、東京にいるときは飲みに出てることが多いです。
仕事では、佐渡ではリモートワークがメインですが、人と会うことで情報を得られたりします。
一方、東京ではネットで調べた情報をすぐに現地視察できたり、取引先とのやりとりがスムーズにできます。
今はネットでなんでも情報を得られる時代ですが、街を歩いていてすれ違う人や目に入ってくる情報量が東京の方が圧倒的に多いので、そういう面で仕事にも役立っていると思います。
気になるコストを教えてください
1ヶ月の家賃
佐渡の家は父の持ち家なので、家賃はかかりません。
東京は家賃9万の賃貸に住んでいます。
1ヶ月の交通費
【車1人】:カーフェリー往復+高速代往復+ガソリン代往復
約53,000円
【新幹線1人】:カーフェリー往復+新幹線往復+路線バス往復
約27,000円
実際、このくらいかかります。。。それなりの出費になるので月1回の移動が限度ですね。
2人での移動だとどちらも同じくらい。3人以上だと車での移動の方が安く抑えられます。
私の場合、佐渡での家賃がかからないため、その分を交通費に回している感じです。
住民票はどちらに置いていますか?
住民票は仕事の関係で東京に置いています。
住民票は佐渡のローソンでも出せますし、月1ペースで行き来しているので役所関係で困ったことはないですが、
佐渡に住民票が無いと、佐渡汽船の島民割引が使えないのが難点です。
メリット&デメリットを教えてください
【メリット】
メリットは生活にメリハリをつけられることです。
佐渡と東京は完全に別世界と言っていいほど環境が違うので、自然と流行を同時に体験できる幸せがあります。
東京にいればサービスの質や流行りの食やお店、美容室でのスタイリングなど都会の流行を常に感じる事ができます。
しかし、東京には佐渡ほどの大自然を体感できる場所はありません。
佐渡ー東京なので、田舎と都会を同時に味わえ、両地域の良さを知れ、それを常に再確認できることがメリットだと思います。
【デメリット】
お金がかかる。それがシンプルに大きなデメリットですね。
二つ目は、時間。移動時間を削るにも限度がありますし。どこでもドアがあったら最高です。
三つ目は、不可能ではないですが、住民票のない場所での車の購入が難しい事です。一度佐渡での購入を検討したのですが、登録手続き等に一手間二手間ほどかかる事がわかりました。
今後も二地域居住を続けたいと思いますか?
はい!続けたいです。
二地域居住はお金がかかりますが、自分にとってメリットの方が勝るので今後もこのスタイルで続けていきたいです。
この生活が始まって半年経ちましたが、違う地域の人と会うことでたくさんの価値観を共有でき、人生が豊かになったように感じます。
国や自治体からこんな支援策があったらいいな♪を教えてください。
交通費の補助金。
セカンドハウス購入時の補助金。
佐渡に関していえば、佐渡汽船の島民割引を二地域居住者へも適用してくれたら嬉しいです。
「佐渡ー東京」二地域居住希望者へ一言お願いします。
お金の問題がありますし、家族の理解が必要だったり、仕事の都合もあると思いますが、
私の気持ちとしては二地域居住はお勧めしたい生活スタイルです。
もし今後佐渡ー東京間で飛行機が飛んだらこれまたもっと便利になりますし!(料金はできれば1〜1.5万円だとありがたいですね。)
最後に
本日はKさんに「佐渡ー東京」の二地域居住のインタビューを行い、その暮らしの実際を知る事ができました。
インタビュー前に想像していた「コストがかかる」というイメージはまさにその通りでしたが、そのデメリットを上回るほどの二地域居住の魅力をKさんから教えていただきました。
佐渡と東京では生活環境が大きく違うので、現在の年齢でそれぞれの魅力を同時に体験できるのは今後の人生においても大きなメリットだと思います。
今後、二つ目の居住先に佐渡を検討中の方はKさんの暮らしを参考にしてみてください。
Kさん、インタビューにご協力いただきありがとうございました。