今年も行ってきました大野亀のトビシマカンゾウ。
佐渡が紹介されているサイトやパンフレットに必ずと言っていいほど登場するトビシマカンゾウ。
駐車場に車を停めて看板に沿って進むと、あたり一面に咲き誇るトビシマカンゾウの圧巻の景色を望むことができます。
佐渡に来たなら絶対一度は行って欲しい推しスポットです!
遊歩道が整備されているのでぐるりと回って様々な角度からトビシマカンゾウを楽しめますよ。
ぜひお気に入りのフォトスポットを見つけてみてください。
今シーズンの開花はとても早く、5/14日頃から開花の情報が出て、5/27頃に満開を迎えました。
トビシマカンゾウは、山形県酒田市の海岸と飛島、佐渡のみに分布するキスゲ亜科ワスレグサ属の多年草です。(以前はユリ科とされていましたが、近年別の種となっているようです。)
ニッコウキスゲと姿形はそっくりですが、ニッコウキスゲの海岸型・島嶼型と考えられていて、内陸の山や高原の草地に7月くらいから花が咲くニッコウキスゲに対し、トビシマカンゾウは海岸に生息し、5月下旬からと開花が早く、草丈も大きいのが特徴です。
濃い黄色のトビシマカンゾウ、新緑で覆われた大野亀、濃い佐渡ブルーの空と海、真っ黒な岩石、はっきりした色のコントラストがそれぞれの美しさを引き立てますね。
標高166.8mの大野亀、実は佐渡最大の「一枚岩」なんです。
とても大きいので「岩」と言われてもピンときませんが、岩石の名前はドレライト(粗粒玄武岩)といい、黒く密度が大きいのが特徴です。
大昔、地下深くのマグマが上昇し地表付近で固まり、長い年月をかけて風化・浸食を繰り返し、現在のダイナミックな景勝地となりました。
遊歩道を進むと日本海の大海原を望めます。
あたりを見渡すと遠くの方に二つの大きな岩を見つけることができます。
これは日本の快水浴場100選にも選ばれた透明度抜群の二ツ亀です。
二ツ亀海水浴場からは一つの岩のように見えますが、大野亀から見ると、岩が二つあることがよくわかりますね。
大野亀、二ツ亀、赤亀など、佐渡には「亀」の名が付く岩がありますが、カメとはアイヌの言葉で「カムイ=神様」を意味し、神様に通ずる神聖な島を意味するそうです。
佐渡とアイヌ民族との関りについては調べきれませんでしたが、
実際、大野亀の頂上には善寶寺石塔があり、航海の安全を守る竜神として信仰されてきました。
善寶寺は山形県鶴岡市にあり、竜神信仰のお寺として航海安全や大漁を祈願する漁業関係者などから、北海道、東北、北陸、関東まで広く信仰されています。
(佐渡の善寶寺信仰については 佐渡伝統文化研究所年報創刊号印刷専用PDF p41「特別寄稿 佐渡の善寶寺信仰 ー資料紹介をかねてー 池田 哲夫 」をご覧ください。)
大野亀のトビシマカンゾウは昔から見事な群生をなしていたわけではありません。
大野亀はトビシマカンゾウの他に、カヤ場(ススキやヨシ)の草原地でもあります。
昔、佐渡では牛の放牧が盛んに行われていて、大野亀は飼料としてのカヤ場の役割を持つ土地でした。
毎年人為的に刈り取りや、野焼きを行い森林化の進行を防いできたことで、刈り取りや火入れに強いススキやトビシマカンゾウが残り、純度を高めていきました。
しかし、放牧が行われなくなり、背の高い植物の刈り取りや野焼きなど人の手が入らなくなったことで、トビシマカンゾウは激減していきました。
平成6年から地元民によって保護増殖活動が始まり、現在の美しい景観を楽しめる大野亀へと生まれ変わりました。
よく見かける大野亀をバックにトビシマカンゾウ原が広がるこの景色は、ここから眺めることができます。
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駐車場からちょっと歩くのですが、ここから見る景色はとても美しく、ベストショットを収めたいカメラマンたちの陣取り合戦のポイントでもあります。
佐渡ジオパークのYouTubeチャンネル「ぶら~りジオパークだっちゃ!」でジオパーク目線の大野亀解説動画を楽しめます。
合わせてご覧ください^^
大野亀以外にも島内には、人面岩の付近の道路沿いや、大佐渡スカイラインの大平高原でもトビシマカンゾウを楽しむことができます。
トビシマカンゾウの見ごろは例年5月下旬から6月上旬にかけて。
今年のトビシマカンゾウの時期はもう終わりかけですが、また来年行ってみてはいかがでしょうか^^
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。