佐渡を代表する果物といえばおけさ柿!
10月半ばからおけさ柿の収穫が始まり、佐渡島内のスーパーやホームセンター、近所の庭などどこへ行っても柿を目にしない日はありません。
ホームセンターではコンテナごと売っています。
本日はそんな佐渡島民みんな大好きおけさ柿についてのお話です。
目次
おけさ柿は種がない
おけさ柿という名前はブランド名で、
品種名である平核無(ひらたねなし)と、刀根早生(とねわせ)を総称しておけさ柿と呼びます。
おけさ柿のおけさは佐渡の民謡「佐渡おけさ」に由来します。
平種無という字の通り、おけさ柿には種がありません。
元々柿は大きな種のある果物ですが、
昔、種のない柿が発見されそれが広く栽培されるようになりました。
新潟県新潟市秋葉区に現在でもその原木が残っているそうです。
種がないのにどうやって育てるか、現在栽培されている平核無柿と刀根早生は1本の木から接木で増やされたものなのです。
おけさ柿は渋柿
柿には甘柿と渋柿があり、
おけさ柿は渋柿です。なので木からもいでそのまま食べることができません。
そのまま食べるとものすっごい渋いです。
その渋さは柿に含まれるタンニンによるもので、タンニンはタンパク質と強く結合する収れん作用があります。
口の中でタンパク質とタンニンが結合し口内粘膜が縮まることによりあの独特な渋みとして感じるようになるのです。
ちなみにこのタンニン、肌の引き締め効果もあるようで化粧水などにも利用されているそうです。
渋いといってもどんな渋さなのか?
興味があったのでちょっと食べてみました。
「う゛ーん、渋い!!!」
何となく赤ワインとか、バナナの下の芯のような渋さを想像していたのですが、全く違います。
ちょっと食べただけで一気に口の中が渇くような、渋いという表現だけでは表せない、他の食品では経験のない独特の渋みを感じました。
口に入れた瞬間「これ、あかんやつや!」と思いました。
渋柿をそのまま食べることは全くもってお勧めできません!
渋抜きの仕組み
渋を抜くと言っても、柿からタンニンを取り除くというわけではなく、渋を感じさせない形に変えるということなんです。
タンニンを水溶性から不溶性に変性させることで渋みを感じなくすることができます。
そのタンニンを不溶性に変性してくれる物質は、アセトアルデヒド。
タンニンとアセトアルデヒドが結合することにより、不溶性に変わるのです。
アセトアルデヒド、、なんか聞いたことあるぞ。そう、アセトアルデヒドは二日酔いの吐き気や頭痛の原因となるやつです。
あんな厄介だと思ってたやつが柿のタンニンと出会うとことで有益な作用をするとは面白いですね。
渋抜き方法
どのようにして渋抜きをするのか、いくつか方法があります。
炭酸ガス
炭酸ガスを充満させたところに1日置き、その後外に出し、2日間おくと渋が抜けます。
炭酸ガス内に置くことで柿が酸欠状態となり、柿の糖分からアルコールが発生し、そのアルコールが酵素により分解されアセトアルデヒドが出来、タンニンと結合し渋が抜けます。
アルコール
家庭で一番やりやすい方法です。
35%度数のアルコールをを用意します。種類は焼酎・ホワイトリカーなどなんでもいいです。
それを柿のヘタにちょっと付けます。どっぷりとひたす必要はありません。
ビニール袋など密閉できるものに入れて1〜2週間、日の当たらない場所に放置し、渋を抜きます。
この方法もまたアルコールが分解されアセトアルデヒドが出来、タンニンと結合することにより渋が抜けます。
干す
干すことでも渋さを感じなくさせることができます。
皮を剥き乾燥させ表面に膜ができることにより柿が酸欠状態になることで、
これもまた自らアルコールを発生させアセトアルデヒドとタンニンが結合し渋が抜けると考えられています。
生の状態ではなくなりますが、冬の保存食として重宝されています。
おけさ柿クイズ!
ここでいきなり、クイズです!
本来、おけさ柿は何角形でしょう?
・二角形(ニカッキー) ・三角形(サンカッキー) ・四角形(ヨンカッキー) ・五角形(ゴカッキー)。
普段何気なく目にしている柿ですが、改めて問われるとはて?何角形だったかな?
正解は、、、
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↓
↓
四角形(ヨンカッキー)です。
本来柿は四角形の形をしていますが、たまにそれ以外の柿も見つかり、
その中でも五角形の柿は「五角」と「合格」をかけて受験生などに縁起の良いものとされています。
これらは柿もぎのお手伝いをしている時に見つけました。
このような四角形以外の柿はスーパーなどではになかなかお目に書かれないので、見つけた時、ちょっと嬉しい気分になりました。
最後に
柿は家の庭に成っていたり、軒先をみると干し柿が吊るしてあったりと、とっても身近な果物で、
人と柿の話をするときは、こし餡派、つぶ餡派のように
マンゴーのように柔らかい状態が好きな人もいたり、りんごのようにかための状態が好きな人もいて、結構好みが分かれて、それにより人間性も判断できたりと面白い果物です。(ちなみに私はかたい柿が好きです。)
秋の味覚として佐渡島民みんなに愛されているおけさ柿。
柿にはタンニンがたくさん含まれているので、食べすぎると体を冷やしたり、胃腸の調子を崩すと言われていますが、
一方でビタミンやカリウムが豊富で柿が赤くなると医者が青くなるという諺もあり、健康にも良いともされています。
甘くて美味しいおけさ柿を適度に食べて風邪に負けず、これからの寒い季節を乗り切りましょう!
また佐渡にはおけさ柿を硫黄で燻蒸し、渋を抜きをした半生タイプの干し柿、あんぽ柿があります。
干し柿は水分量25〜30%、あんぽ柿は水分量30〜40%としっとりとした、まるで羊羹のように美味しい干し柿です。
ぜひお試しください!
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