トキ博士への道②
前回の「トキ博士への道①」ではトキガイド養成講座第1回受講までの様子をお届けしました。
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今回はその後行われた講座の様子をお届けしたいと思います。
トキガイド養成講座を受講
トキガイド養成講座は全部で7回、週に1回のペースで平日の夜、仕事が終わる時間帯の18:30~新穂のトキ交流会館で行われました。
トキに関する基礎知識から、野生復帰への取り組み、トキのみならず佐渡全体の野鳥の知識、世界農業遺産、ジオパーク、ビオトープなど、トキに関連することを幅広く学びます。
第二回の講座ではトキ野生復帰とモニタリングについて学びました。講師は環境省の自然保護官の方。
現在までのトキの野生復帰の取り組みを時系列で学び、野生復帰訓練でどのようなことが行われているか、モニタリング調査方法などを学びました。
その中で一番印象に残っているのはトキは自然環境保全・再生のシンボルとなっているということ。
トキの野生復帰の取り組み=自然環境の保全・再生となっていて、トキをきっかけに保全・再生への取り組みへと繋がっているんだと知ることができました。
そのような取り組みが行われている佐渡という土地で暮らせていることにありがたみを感じました。
環境省佐渡自然保護官事務所はTwitterもやっています。
現在の野生のトキの数、トキの様子、トキに関する豆知識などトキ好きにはうれしい情報がつぶやかれています。
ぜひ覗いてみてください^^
第3回の講座ではトキふれあいプラザの獣医師の方からトキの生物学的な観点からお話を聞きました。
一番興味深かったトピックは、トキウモウダニについてのお話でした。
かつて日本産のトキにはトキウモウダニとトキエンバンウモウダニという二種のウモウダニが確認されていました。
しかし、現在日本に生息する中国から贈られたトキにはトキウモウダニは確認されず、トキエンバンウモウダニのみが確認されています。
2003年に日本産のトキ、キンが死亡したのと同時にトキウモウダニも絶滅してしまったそうなのです。
このトキとウモウダニは相利共生といって、お互いに利益を得られる共生関係にあります。
ウモウダニはトキの羽や皮膚を傷つけることなく、羽の古い油などを食べて生活し、いわゆる羽のお掃除屋さん的な役割があります。
キンが亡くなった時、日本産のトキが絶滅したと大きくニュースになりましたが、その陰で小さな小さな生き物もひっそりと姿を消していたんですね。
確かにトキウモウダニについては地味でインパクトに欠ける話題ですが、トキを縁の下で支えていたダニの功績も知ってもらえたらと思います。
それでは次回トキ博士への道③をお楽しみに!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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