トキ博士への道③
前々回の「トキ博士への道①」ではトキガイド養成講座第1回受講までの様子をお届けしました。
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「トキ博士への道②」ではトキガイド養成講座第3回受講までをお届けしました。
今回はその後行われた第4、5回の講座様子をお届けしたいと思います。
トキガイド養成講座を受講
トキガイド養成講座は全部で7回、週に1回のペースで平日の夜、仕事が終わる時間帯の18:30~新穂のトキ交流会館で行われました。
トキに関する基礎知識から、野生復帰への取り組み、トキのみならず佐渡の野鳥の知識、世界農業遺産、ジオパーク、ビオトープなど、トキに関連することを幅広く学びます。
第4回の講座では佐渡の鳥類について学びました。講師は日本野鳥の会佐渡支部の方。
佐渡の鳥と言えばトキ。
その存在が大きすぎて、それ以外の鳥について深く学んだことはありませんでした。
最初に基礎知識として、鳥の数について学びました。
世界全体では9,021種、その内日本は633種、新潟県は447種、佐渡は354種の鳥が確認されています。
佐渡だけで354種・・・。SUIスタッフ自身が鳥について詳しくなさすぎるのもありますが、こんなにいるとは思いませんでした。
その内カラスや、スズメ、ハトなど留鳥(佐渡にとどまってる鳥)は57種、夏鳥は43種、冬鳥は98種、旅鳥は72種、迷鳥は83種確認されているそうです。
迷鳥とは普段生息していない地域で迷ったように見られる鳥のことを言います。佐渡は洋上に浮かぶ島であることから迷鳥の確認が多いとのこと。
環境省のホームページに掲載されている記事も併せてご覧ください。佐渡の珍鳥(迷鳥)が5種紹介されています。
その他、佐渡の鳥の特徴、レッドリスト、その他ヒクイナやコジュリン、コシアカツバメなどトキ以外の鳥についての特徴について学びました。
この講座を受けてから佐渡に生息するトキ以外の鳥についても気になるようになりました。
真冬の日、とあるため池にカモっぽい鳥たちが凍った湖面の上に集まっている姿を見かけました。
鳥を見かけたとき、すぐに名前が分かるようになりたいですね。
第5回の講座では朱鷺認証米の取り組みと、世界農業遺産(GIAHS)について学びました。講師は佐渡市農業政策課の方です。
佐渡には朱鷺認証米という取り組みがあります。
~朱鷺認証米制度が始まったきっかけ~
佐渡では米の販売について大きな悩みがありました。
平成16年島内の米がほぼ全滅した台風被害、米価の下落、生産調整による売れ残り。
それと同時にトキ野生復帰の計画が始まりました。
トキが野生復帰するために、生息環境の整備が求められます。
トキの餌場は主に田んぼ。米価の下落や売れ残りが続くと耕作放棄地が増え、トキの餌場となる田んぼの数も減ってしまいます。
トキの野生復帰を機にお米のブランド化へ繋げようと取り組みが始まり、2007年、朱鷺と暮らす郷づくり認証米制度がスタートしました。
認証米となる要件は6個
- 佐渡で栽培されたお米であること
- 生きものを育む農法により栽培されたお米であること
- 生きもの調査を年2回実施していること(6・8月)
- 農薬・化学肥料を減らして栽培されたお米であること
- 水田畦畔等に除草剤を散布していない水田で栽培されたお米であること
これらの要件を満たしたお米のみが朱鷺認証米として販売でき、現在、島内の主食用水稲栽培面積の約2割が朱鷺認証米制度に取り組んでいます。
佐渡に移住してきてから一つ感じたことがあります。
それは、「佐渡の田んぼのあぜ道って茶色くない。」
SUIスタッフ🙋♀️は新潟市出身で田んぼは身近でいつも見ていましたが、畦道はどこも茶色いイメージでした。
しかし、佐渡では田植えの時期が終り雑草が茂ってくる時期になると、農家さんは除草剤をまく姿ではなく、刈払機を持って草刈りをする姿をよく見かけます。
トキが生息する環境を守るためには農家さんの地道な努力があってこそなんだと思いました。
それでは次回トキ博士への道④をお楽しみに!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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