\  相談予約はコチラ  /

ぶっちゃけ佐渡で【リノベーション】どうでした?

こんにちは、SUIスタッフの棚村です。

突然ですが!佐渡暮らしでの気になるアレコレのさまざまな『ぶっちゃけ』について調べるシリーズが始まります。不定期シリーズですが、どうぞよろしくお願いいたします。

今回のインタビューは、築約40~50年の民家の一部のリノベーションを自分たちの手で行った、下川 千里さんです。

パートナーの淳也さんとともにワイン造りを目指しながら、現在は「Andante 葡萄農家の宿」を営んでいらっしゃいます。お二人のリノベーションについてのぶっちゃけ話をお伺いしました。

 

運命の物件との出会い

初めて物件を見に行った際の母屋の外観写真

築約40~50年なのでいわゆる “古民家” というほどのものではないのですが、畑と田んぼと、蔵がひとつ、納屋がふたつ。それでも物件を買った時には「もっと田んぼあるけどいらない?」と聞かれました(笑)

納屋もリノベーションの途中に使用した道具や材木などの一時保存にとても役に立ったので、結果的には良いスペースでしたね。

佐渡では大家さんとの直接交渉をして物件を購入する方も多い中、下川さん夫婦は移住して3年目に差し掛かるタイミングで、とうとう運命の物件と出会えたと話します。

この物件は、佐渡島内の不動産会社の物件情報から調べました。
一番の決め手は、葡萄畑の候補地の近くだったということ!

住宅の間取り図を見ると、収穫した葡萄を醸造するための作業ができそうな納屋もあるし、将来的には、自家製ワインを楽しんでもらいながら泊まれる宿にできそうな離れもあるし… と、条件にぴったりだったんです。

不動産会社のサイトではそれなりの数の物件数を見ていたおふたりが実際に足を運んだのは2軒! 最初は “変わった間取りの家だな” という印象だったそう。

元々の持ち主の方は周辺の住民の方の家も作っていた大工さんだったそうです。この家もご自身で建てられたそうで、現在、宿の客室になっている離れは、息子さんの結婚式のために増築した場所と伺いました。

その結婚式に参加された方が、数十年越しに、宿となった離れにご宿泊された際は、とても驚いていましたね。

リノベーション前の住居スペース

地域に親しまれている素敵な物件と出会いながらも、家を購入するという大きな決断の前には入念な下調べをされたようで…。

この集落出身の方が身近にいたことから、困ったことがあったら相談できるという安心感もありました。家を購入することがゴールではなく、新しい暮らしが始まる場なので、『集落の行事は頻繁にあるの?』『住民同士のお付き合いの裏事情は?』などは事前に知っておいた方が良いですね(笑)

たなむら

移住もそうですが、まずはその土地での生活イメージがしっかりできることが大切です。揉め事にならないように、敷地内にお墓が無いかも要チェック!

 

 

憧れていたリノベーションに挑戦

住居スペースを畳からフローリングへ床貼り作業

うちは全てセルフリノベーションではなく、お客様のための宿泊スペースは業者さんにお願いしました。正直、居住スペースは傷んだ畳や、以前住まれていた方の家具や装飾品が残っているくらいで住もうと思えばそのまま住める物件だったのですが、やっぱり『リノベーションをしたい!』という気持ちがあって。とりあえず自分たちの住むスペースだけ作ってみようと夫婦で決めたんです。

それまでリノベーションの経験が全く無かったとのこと。憧れていたリノベーションは、毎日試行錯誤の連続で…!?

分からなかったらその都度YouTubeや本を見ながら…。
正直クオリティはめちゃくちゃ悪いです(笑)
床板一枚張るのも難しくて…。でもそれがリノベーションの味ですね。

ジプトーン天井に塗装をする前の下地作業

『床の張り方』『根太(ねだ)の張り方』など、目的によって検索して、素人でも一番分かりやすいYouTube動画を参考にしながら取り組みました。

作業の流れが掴みやすかったので動画を観ながら実際に作業するというスタイルは私達に合っていましたね。佐渡の大工さんによる初心者向けの漆喰塗りや床張りのワークショップに参加したのも、良い経験でした。

下地材と作業道具

“ハイクオリティなものは高い!” という千里さん。おすすめの道具についてもお聞きしました。

塗装材の使いやすさは、大体一緒。刷毛も大差は無いので初心者でも使いやすかったです。角がL字になっている定規や、パレットも買いました。

どんな道具を揃えればいいか分からない方は、道具についてしっかり書いてある本もおすすめです。

とは言え、『インパクトドライバー』『電気マルノコ』『グラインダー』などをひとつずつ揃えるのはとても高額になってしまうので、馬力はないけどマルチに使える『ブラック&デッカー』という商品を購入しました。

これはちょっとリノベーションしてみたいなという方にはとってもおすすめのアイテムです!

住居スペース、一部屋分のフローリング完成!

道具や木材など、リノベーションに必要なものはほとんど島内のホームセンターで揃えました! ある大工さんによると島内のホームセンターの道具と材料で家が一軒建つとか…。

“離島送料” には要注意!
そもそも配送地域の対象外だったり、 送料が商品よりも高くなったりすることもあるので、種類や品質にこだわりがあって、島外から取り寄せる場合は高額送料がかかることも覚悟した方が良いです(笑)

杉板だけは、品質を重視して他県の材木屋さんに頼んだそうです。

実際に大きなサイズの商品は離島配送が対象外だったり、塗装材の種類などもバリエーションが豊富に揃っているわけではないので計画時によく調べておく必要がありそうですね。

そんな佐渡リノベも、困ったことばかりではありません。

古材(建具等)をストックしている納屋の様子

お世話になっていた大工さんのお知り合いに、廃材業者さんがいらっしゃったんです。古民家を解体した際に出てきた素敵な建具(窓や扉)など、気に入った古材を引き取らせて頂きました。

その当時は、長野県諏訪市にあるリビセン(ReBuilding Center JAPAN)という古材と古道具を販売するリサイクルショップがリノベーションの最先端として知られていたのですが、島外で買い付けなくても、リビセンに置いてあるような商品が、佐渡にもあるのだとリノベーションを通して知りましたね。

たなむら

近々リノベーションをする予定なのでとってもタメになります!メモメモ…

 

 

これから佐渡でリノベーションを考えている人へ

リノベーション前はふたりともワクワク感に満ち溢れていたけれど、いざ始めてみると慣れていないからスムーズにコトが進まなくて、それがしんどくて。

私達は前に住んでいた家から今の家に引っ越すまでに、残された時間が数ヶ月しかなく、しかも週末にしか作業ができなかったため、その焦りとイライラから雰囲気が険悪になったりしていました(笑)  リノベーションをするならば、絶対に時間とお金に余裕がある時にやるべきですね!

暴風の日に飛んでしまった母屋の屋根(トタン)の様子

それと、古民家を購入する前には、『家の耐久性』『下水道の有無』『携帯やインターネットの通信状況』も確認した方が良いですね。素人が手を出せないような家の基礎の状態を大工さんに見てもらってから購入しないと、修繕費が家の購入額の倍以上になる場合も多いと聞きます。

佐渡の古い家は瓦も昔ながらのもので、今同じものを見積もって貰うとヒエ~~!となる額に(笑) この家も暴風の日に、トタン屋根が飛んで酷い雨漏りをしたこともあるので、古民家こそ火災保険には必ず入った方が良いです。

『下水道の有無』については、元々この地区は、下水道が通ってなく、トイレが汲み取り式だったので、さすがに宿でボットン便所は…となり、浄化槽を置くことにしたのですがこれが予想以上に費用がかかったかも。

もし購入する家のエリアが下水道が通ってない地域でしたら、『合併処理浄化槽設置補助制度』という補助制度があるので、こういったことも調べておいた方がいいですね。

そして佐渡は、携帯やインターネットのの電波が入りにくい地域もあるので、『電波の通信状況』も要確認です!

【離島移住】佐渡市、下水道の話

実際にリノベーションをしてみると、”自分の家になった!” という愛着も湧きますし、Before&Afterの達成感があります。

ただ、 実際にリノベーションをした感想は、一生終わらないな…という感じです(笑) いざ始めてしまうと床を貼り終えるまで、壁を塗り終えるまで、とにかく次から次へと気になる箇所が出てきたりするので、長い目でぜひ、リノベーションを楽しんでください!

たなむら

千里さん、ありがとうございました!

 

Andante 葡萄農家の宿
Webサイト: https://andante-sado.com
※Andante 葡萄農家の宿は宿泊のお客様以外の訪問・見学は行っていません