佐渡は赤道から暖かい海水を運んでくる対馬暖流の影響によって、気温は本土(新潟市)に比べて夏は1~2℃低く、冬は氷点下になる日は数日程度と言われています。
新潟市出身で佐渡3年目のSUIスタッフは、確かに佐渡の気候は新潟市と比べて少し違うなと思いました。
夏は風もあり少し涼しく感じますし、(とは言え、真夏は普通に30℃超えるので、暑いことに変わりはないのですが。)
冬は佐渡は風が強い分、体感的にも寒く感じますが、積雪量は少ないです。
実際に暮らして体感してみないと分からないその土地の気候。
本日は佐渡と東京の月別の平均気温などをグラフで比べてみたいと思います。
以下のご紹介するデータは 気象庁の過去の気象データを参考に、佐渡市相川、東京都千代田区の観測データを基に作成しました。
目次
佐渡・東京 月別平均気温(℃)
年間通して佐渡は東京に比べて1~3℃低めですね。
7~8月は1℃ほどしか変わりませんが、とは言え夏場の1℃の差ってとても大きいと思います。それに佐渡の夏は風も程よく吹きます。
真夏の昼間はエアコンが必要ですが、夜になると25℃前後まで下がる日も多くエアコンなくとも過ごせる日もあります。
佐渡の古民家の場合、夏の過ごしやすさを重視して風通しが良い造りになっていて、夏場は過ごしやすいと聞いたことがあります。
冬場は強風というか暴風が吹き荒れること多く、示された気温よりも体感はもう少し寒く感じます。
暴風雪になると路面が凍結しホワイトアウトすることもあり、頻度はそんなに多くはないですが、一部道路では通行止めになるときもあります。
冬場の古民家暮らしは結構厳しく、サッシが入っていない木枠のガラス戸だと、いたるところから隙間風入ってきてとっても寒いです。
佐渡・東京 月別平均最高気温(℃)
佐渡・東京 月別平均最低気温(℃)
佐渡・東京 月別平均降水量(mm)
佐渡は冬場、雪が降るので降水量が多いですが、それ以外の3~10月の間(7月を除く)は東京の方が降水量が多いんです。
夏には、北太平洋高気圧から吹いてくる南東あるいは南西の風が脊梁山脈によってさえぎられること、オホ−ツク海からの冷涼・多湿な偏東風(やませ)も奥羽山脈・越後山脈にはばまれることにより、新潟県を含む日本海沿岸の夏は、好天気が続き降水量は太平洋側に比べて少ないのだそうです。
※脊梁山脈・・・大陸や半島などを縦断または横切り、主要な分水嶺となっている山脈。
佐渡・東京 月別平均湿度(%)
佐渡は海に囲まれているのと、冬場は雪が降るので年間を通して湿度は高めですね。
7月なんて80%越え!気温も高くなるこの時期めちゃくちゃカビが生えますから気を付けた方がいいですよ。特に革製品!
湿度が高いからか、佐渡に来てから冬場の「静電気バチバチ」にはあまり遭遇しない気がします。
しかもその湿度のおかげか、「佐渡の人は肌がきれいだ」ってよく聞きますし、実際きれいだと思います!
【併せて読みたい!】
佐渡・東京 月別平均日照時間
比べてみて初めて知ったのですが、5~10月の間は佐渡の方が日照時間が長いんですね!!!驚きです。
それに比べで冬季は圧倒的な差で佐渡の日照時間が少ない。2~4倍の差がありますね。
「そう言えば最近青空見てないな・・・」と思うことなんてしょっちゅうです。ほんとずっと鉛色の空。
佐渡の冬はご想像通りの日本海の景色、荒波を眺めることができますよ。
また、洗濯物が乾かなく苦労する季節でもあります。
安心してください。佐渡にもコインランドリーがありますのでいざという時はそちらをご利用ください。
佐渡・東京 平均雷日数
このグラフを見てお分かりの通り、佐渡って冬場に多くの雷が発生します。
北陸や東北の日本海側出身の方は慣れているかもしれませんが、これ「雪下ろしの雷」とか「雪起こしの雷」って言われていて、この雷=雪が降る合図となっています。
太平洋側から来た人たちにとっては冬場に雷が鳴ることに慣れてなくて恐怖を感じることも多いそうです。夏の夕立の雷と違って、真冬のどんよりした暗い天気の中での雷って想像しただけでも怖いですよね。
兵庫県出身のSUI代表も佐渡に来て最初の冬を迎え、この「雪下ろしの雷」を初めて体験したとき「とっても怖かった」と言っておりました。
冬場に雷が鳴る原因は、ユ−ラシア大陸上に寒冷な高気圧が発達し、東や南東へ冷たい気流が流れます。この冷たい吹き出しが日本海を渡ると、上昇気流が起こり日本海沿岸で積乱雲が発達し雷が発生するのだそうです。
この日本海側特有の雷や風が原因で佐渡の冬はたまに停電するときがありますので、電気のいらない石油ストーブを用意していると安心です。
佐渡・東京 平均最深積雪(cm)
雪が降らない地域からの移住で一番気になるのが佐渡の雪事情。
雪に関しては詳しくまとめたものがありますのでこちらをご覧ください。
佐渡 年別平均最深積雪(cm)
ちなみに佐渡の2010~2020年の年別平均最深積雪量も併せてご覧ください。
その年によって結構ばらつきがあります。35cmのときもあれば、2cmの年も。
たくさん降っても豪雪地帯のように何メートルも積もることはありませんし、もちろんこのくらいの積雪では屋根の雪下ろしの必要もありません。
佐渡の道路はほとんど消雪パイプはありませんが、除雪車が丁寧に除雪してくれます。
積雪量が10cmを超えると除雪車が出動する目安となるようです。
佐渡・東京 平均雪日数
1カ月の間でどのくらいの日数雪が降るかというと、12~3月の間では、月の半分~3分の2は雪が降っていますね。
雪が降るといっても丸一日降り続く日は稀で、降ったり止んだりを繰り返します。
佐渡の冬は雪が降るのと同時に強風の日も多いし、晴れの日はめったにないし、気分も上がらない日も多いです。。
が、たまにある無風で無音の「しんしんと降る雪」に出会えたときは「美しいな」と感じますし、酒を飲みながら暖かい部屋の窓から眺める雪見酒なんてできた日にはこりゃまた最高ですね。
佐渡・東京 月別平均風速(m/s)
各項目で佐渡は風が強いとお伝えしてきましたが、東京と比べてこんなにも差があるとは・・・。
1月と12月の平均風速が約8mとな・・・!? 佐渡の冬、風強すぎ。。
風速8mってどのくらいかというと、傘が吹っ飛ぶ一歩手前くらい。
また、春一番の定義が「 風速8m以上 」となっているのでそれくらい。と想像していただけたらわかりやすいでしょうか?
待て待て待て。・・・確かに風は強いけど、こんなに強くない気がする。
そうです。このデータは佐渡で一番風が強いと言われている相川地域の数値です。
念のため、他の地域も併せて見てみましょう!
相川・両津・羽茂・東京 月別平均風速(m/s)
相川はダントツで風が強いですね。その上、冬場と夏場の差が激しいのも特徴です。
これは冬場、大陸から日本海に吹き付けられた北西季節風の影響をもろに受けるためです。
両津は東京に比べて年間通してやや風が強めですが、冬場でも風速4m/s台。
相川に比べたら冬場の風速は約半分ほどです。これは、両津と相川の間にある大佐渡山地が壁となり弱まるためです。
羽茂は夏場の風は極端に弱く、冬場でも風速3m/s超えることはありません。
これは観測地点が羽茂本郷という、東・西・北の三方を山に囲まれた盆地であるからだと言えます。
同じ一つの島とは言え、島内3地域でこんなにも違いがあるんですね。
ちなみに相川・両津・羽茂の位置関係はこんな感じです。
最後に
グラフで見る佐渡の気候。いかがでしたでしょうか?
東京と比較するとたくさんの違いが分かって面白いですね。
佐渡移住を考える中で気候の違いを一つの判断材料にしてもらえたら嬉しいです。
「離島移住」という言葉を聞いてまず頭に思い描くのは青い海に、白い砂浜がある南の島ですよね。
けど、南の地域では体験できないことが佐渡にはあります。
それは冬、雪。
雪が降る冬の暮らしは厳しいイメージがあるかもしれません。確かに光熱費はかかるし、冬用に揃えなければならないグッズもあります。
けど、せっかく四季のある日本で暮らすのですから、季節ごとの食材や遊び、行事を楽しめる島「佐渡島」での暮らしをお勧めしますよ。
(ちなみに佐渡には平スキー場もあるのでスキー&スノボも遊べますよ。)
佐渡市環境教育副読本 指導書「佐渡島環境大全(改訂版)」佐渡島の気候と特徴(PDF) も併せてご覧ください。
次回は島内各地域の気候をグラフで比較してみたいと思います。
→比較してみました!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。